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2008年8月

サイコ

ロバート・ブロック/夏来健次(訳) 【創元推理文庫】

かの有名なヒッチコック映画の原作。あれに原作があったとは知りませんでした。
そして、イメージ的にあの映画はホラーだとばかり思っていて、観たことも観る気もなかったんですが、

そんな自分バカバカ!!!

と言いたくなりました。

これはタイトルどおり、ド直球のサイコサスペンスです。すごいよ!
まず、1959年の発表でこの内容というのがすごい。
そして、たったこれだけのボリュームでサイコ野郎の異常性を余すところなく描いてあるところがまたすごい。
これ1冊読めばサイコものはもう十分、と言いたくなる傑作です。マジで!

よかったよ読んでなくて。おかげで「羊たちの沈黙」をはじめとする往年のシリアルキラーブームを楽しむことができました。ってことにしておこう。くやしいから。

2008年8月

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エトルリアの微笑み

ホセ・ルイス・サンペドロ/渡辺マキ(訳) 【日本放送出版協会】

非常ーにヨーロッパ的なお話。
古いものを愛し尊重し、頑固な田舎の老人の野性味あふれる生き様を是とする。ある意味懐古主義と申しましょうか。
まあ私は都会の人間なので、「こんなお義父さんがいたらめんどくさいよな~」と全面的に嫁に同情しながら読んだのですが(笑)

スペインではベストセラーになったそうで、ヨーロッパの人はやっぱこういうのが好きなんですかね。

都会と地方、老人と若者、昔と今、知識と経験…。
あらゆるものの対比や対立を描きつつ、語り口はあくまでも静かで上品で、悪い人は誰もいない。読後感もいたって穏やかです。

なんとなく、都会のアッパークラス向けの作品という感じ。
お金持ちの奥様がすてきなお部屋で読み終えて「いいお話ね」みたいな。
作品の中ではむしろ地方のたたき上げの頑固親父のほうをよしとしてるのに何故かしら。

2008年8月

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柔らかな頬

桐野夏生 【講談社】

不倫旅行中に失踪した幼い娘を捜し続ける母親、それに協力する余命わずかな元刑事…とかなり期待を持たせる設定ですが、あくまでも桐野流。だんだんと事件そのものからは離れて関係者たちのそれぞれの物語へと拡散していき、最終的には全然別の場所に着地します。

これはこれでおもしろい読み物だけど、推理モノor犯罪モノを期待してるとちょっとスカされた感じかも。設定が興味深いだけに。
「OUT」と似た読後感ですね。あっちはもっとラストがぶっ飛んでたけど。

前々から気になってはいたんだけどなかなか手に取る覚悟が決まらなかった本作。
毎日あんまり暑いので、イヤな話でも読もう!とついに読破しましたが、思ってたほどイヤな話でもなかった…と思うのは私が独身で子供もいないからだろうか(笑)

2008年7月

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笑う警官

佐々木譲 【ハルキ文庫】

ハードボイルドを得意とする作者の本格警察モノと聞いて思わず購入しましたが、私この人の小説で途中で挫折したやつあったな…。

ストーリーは端整だしおもしろい。時事問題も取り入れ、ラストの盛り上がりも申し分ないんだけど…なんというか…決定的にキャラの魅力が乏しいというか。誰が誰だか読み分けられないよ!
警察モノはキャラが命なのよ。どんな事件であれ登場人物(役)はある程度決まってるんだから、それぞれの役にどの役者(キャラ)をあてるかで全然出来が違うのよ。キャラの名前がただの記号でしかない警察モノなんて萌えられない…いえ燃えられないよ!

この人いつもこんな感じなんですよね。ジャンルは冒険活劇系で、だからストーリー進行はおもしろいに決まってるのになんだか入り込みにくい。ずーっと説明文を読んでるような感じがするの。がんばって読むと全体としてはおもしろいんだけどね。。

2008年7月

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