た行の作家

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

フィリップ・K・ディック/浅倉久志(訳) 【早川書房】

昔のSFのおもしろいところは、すごくハイテク設定になってるのに機械がアナログなところですね。クルマが空を飛び光線銃で戦うのに記録媒体はテープとか。キッチュだわ。

本物の動物を飼うのがステイタスで、無理ならかわりに電気動物を持つという発想はおもしろい。にせものはあくまでもにせもので、持たないでもいられないけれど忌むべき存在。この設定が、人間と見分けのつかないアンドロイドは敵、という西洋思想に無理なくつなげていく(笑)不思議SF。

これは「ブレードランナー」(82米/リドリー・スコット)の原作という話を聞いて、小説を読んでから映画も観ました。というか「ブレードランナー」ってSFだったんだ~、陸上競技の話かと思ってたよ!と思ったらそれは「炎のランナー」だったんですね。言わなくてよかった。。

映画のほうは小説とはまったく別物で、SFというよりサスペンス?アドベンチャー??さすが「エイリアン」の監督。こわかったよ!

2008年5月

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ぼくには数字が風景に見える

ダニエル・タメット/古屋美登里(訳) 【講談社】

いつか教育TVで見た「ブレインマン」の人の自伝。
2万5000桁の円周率を暗唱し10カ国語をあやつる計算と語学の天才は、実は数字が視覚的な色やイメージを伴って見える「共感覚」の持ち主であり、しかもそれらの不思議な能力は「サヴァン症候群」と「アスペルガー症候群」という脳の「障害」により引き起こされているらしい。
なんつーかもう、てんこ盛りですよ。

素直で淡々とした文章は非常ーに知的で、知らずに読んでると「ちょっと変わってる子供でした」ぐらいな印象だけど、実際はもっとキビシイ感じだったんだろうなあ。

ていうかこの人おだやかで知的でいいわ~とか思ってたら、なんとゲイのひとでした。さりげなくカミングアウトしてます。
んな―――!!これだからイギリス人は好きだよ!!←?
まあ、さすがに異性と恋愛関係を構築するのは難しいってことなのかも。

それはそれとして、異質な能力を持って生まれた人間が世界にとけ込んでいく成長物語としてもとてもいいお話です。親御さんの素朴な愛が胸を打つわ。

あと、自閉傾向が強かった子供時代のエピになんか私とかぶるところが多い気がするのよ(爆)私って自閉症気質だったのかしら。。

2008年1月

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